プロローグ

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夜闇から突如として現れた古代竜は真っ直ぐリーンのいる段々畑に向かってくる! リーンは咄嗟(とっさ)に山積みにされたチビムギの稲に身を隠す。 稲の山で震える身体を必死に抑え、両手を合わせて祈る様に身を固めていると… 「ひっ…」 リーンの横を巨大な顔が横切っていく! 間近で見た古代竜の大きさは村の建物よりも高く、大の大人でも一呑(ひとの)みにできそうだ。 古代竜はリーンのいる場所よりも一段低い畑に実った収穫を終えていないチビムギにかぶりつく。 瞬間、畑にあった筈のチビムギが根本を残して姿を消す。 (もしもあそこにいたら…) そんな事を想像すると、リーンの鼓動は急速に速まった。 幸いにも古代竜は食事に夢中でリーンに気づくこと無く遠ざかっていく… 「ハァ…た、助かったぁ~」 しかし安心したのも束の間、リーンは古代竜の進行方向を見て背筋が凍りそうになる! 古代竜は畑に沿ってチビムギを平らげていく。 それはまだいい… 問題はーー 畑の先にリーンの村、グリーンベルがあることだ!
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