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奥には藍色のテーブルクロスが掛かった3つのテーブルが並んでいた。
リーンが手前の席に着くとおかみさんに注文を聞かれ、空腹の限界だったリーンは「すぐ食べられるものを」と伝えると厨房の奥へ消えて行った。
しばらくすると、いい匂いと共に大きめの皿が運ばれてきた。
「どうぞ、当店自慢のミルロースのホワイトシチューです」
シチューの香りが鼻孔(びこう)をくすぐり、スプーンを口に運べばミルクの風味に肉の脂の甘みが溶けこみ、チーズがコクを引き立てる。
一言で言えば絶品だった。
中に入っている大きめに切られた野菜にも味がしっかり染みていて、食べごたえも充分だ。
たまらずリーンは皿ごと食べそうな勢いであっという間に完食する。
「あらあら、いい食べっぷりですねぇー。おかわりします?」
「はい!お願いします、こんなに美味しいシチュー食べたことないです!」
「まぁ、お世辞がお上手ですね」
おかみさんは嬉しそうに皿を下げて厨房へ向かった。
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