プロローグ

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グリーンベルは小さな村だ… 古代竜のような凶暴な魔獣が暴れでもしたら村は滅茶苦茶にされてしまう! (まずい…あのままジュラが進んだら村のみんなが、母さんが…!?) 明らかな動揺を隠せないリーンは稲の山から飛び出し、反射的に草刈り鎌を拾っていた。 そして、普段の大人しい自分では想像もつかないほど大胆な行動をおこすーー なんと、古代竜の後頭部に向けて草刈り鎌を投げつけたのだ! カキャッ… 「ガ?」 鎌が虚しい音を立てて壊れる… 当然ダメージなどあるはずも無く。 古代竜が何事かと首を後ろに捻(ひね)ると、段々畑の上にいるリーンと目が合う。 途端に心臓が跳ね上がったかと思うほど大きな鼓動を立てる! その鼓動を心臓ごと押さえ付ける様に胸に強く手を当て、大きく深呼吸するとーー 『こ、このウスノロ大トカゲ!!ぼ、ぼぼ僕が相手だ、だ!!?』 噛み噛みではあったが、今のリーンにはこれが精一杯の挑発だった。
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