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すると突然、リーンの前の席の男が乱暴にテーブルを叩いて立ち上がった!
「何言ってんだ3日間しかないんだぞ!勉強なんかしてる暇ねぇだろ!!」
太った大男は野太い声で怒鳴り声をあげる
周りの人間も頷(うなず)いたりしてその意見に賛同している様子だ。
しかし、それとは正反対にエステバンは冷静に語る。
「いいえ、寧ろこの講習で一番教えたいのは知識です。技や肉体はこの仕事を続けていれば嫌でも鍛えられるでしょう。心を鍛えるのは自身でしか出来ません。それに…」
そこまで言うとエステバンは顎髭を指でなぞりながら太った大男をジっと見つめる。
「そこの壁に掛かっている大剣は貴方のですか?」
「あ?だったら何だよ!」
大男が苛立ちながら答えるとエステバンは話を続ける。
「その大剣を担いでここまで来るのは大変だったでしょう。右腕の筋肉がかなり疲労していますよ」
そう言われた男の顔が驚愕の表情になる、図星だったらしい。
続けてエステバンは皆の方を見て話す。
「皆さんもそうです、大半の方の表情から疲労の色が見えますよ」
確かにその通りだ
かくいうリーンも朝から歩き通しだったのだから。
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