カルカラ 第Ⅰ部

ハンター講習

「そしてこれが世界の中心であり、最も大きな大陸です。しかしこの大陸には常に厚い暗雲と深く黒い霧に覆われており【常闇の大陸】と呼ばれています」

エステバンは常闇の大陸についての由来を説明するーー

一筋の光も差し込まず、外からは大陸の様子が一切伺えず、この海域は嵐が多発する為に上陸も困難であり、その為この大陸にどんな生物や植物が生息しているのか一切が不明だという。

各大陸から何度も調査船団が編成されて大陸へ向かったが、その全ては海に消え、無事に戻ってきた船は一隻（せき）も無い。

たった一人、九死に一生を得て帰ってきた隊員は「人が足を踏み入れる領域ではない」と言い残して絶命したと言う…

エステバンは「ふぅっ」と一息つくと、教本のページをめくる。

「地理はこんなところですね、とは言っても一般常識なので知っている方も多いでしょう。２ページから５ページは四大大陸の地形が１ページずつ細かく描かれているので参考にして下さい」

リーンが２ページ目をめくると、スプリングリット大陸が大きく描かれた地図が書かれていた。

西端にはちゃんとグリーンベルも載っている。