プロローグ

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「ギガアアァ!!!」 空気がビリビリと震える様な雄叫びに、思わず身体が竦(すく)む。 どうやら上手く標的になれたらしい。 (よし…!後はこのままツァマトまで誘導すればーー) 隣町のツァマトはこの近辺では一番大きな街でハンターも沢山居る… そこまで行けばグリーンベルは助かる筈だ…! 「こ、こっちだ!」 だが、馴れない事をしたせいか、恐怖から体が強張(こわば)っていたのか、いつもなら軽々と行き来できる筈の段々畑を踏み外してしまう! 「うわ!?」 ドサッ!と音を立てて尻餅をつき、その際に足を捻ってしまった。 「ツゥッ!」 向こう脛(むこうずね)に激痛が走り、じわじわと止むことなく痛みが押し寄せてくる… これでは走るどころか、立つ事もままならない… そしてーー ズウゥンーー 振動が大地から直接伝わると、呼応(こおう)する様に身体が震え出し、茶色の巨大な脚が視界一杯に広がる。 ゆっくりと見上げていくと、古代竜の口が開かれて、大槍の様に太く鋭い何本もの牙がリーンに迫っていく… 「うわあぁああー!!!!?」
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