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古代竜の息がリーンの顔に掛かる程近くまで迫ってくると、リーンは恐怖から瞼(まぶた)を強く閉じた。
そして巨大な口がリーンの身体を完全に覆う…
その時!
ガキッ!!
「ギガ!?」
何か固い物を砕いた様な音が聞こえた…
一体何事かと恐る恐る瞳を開くとーー
「!?」
リーンの眼前には巨大な氷壁が現れ、それに古代竜の大口は阻(はば)まれていた!
「わ!」
突然リーンの体がグイッと浮くと、辺りの景色が動き出す!
直ぐ隣には見知らぬ男の顔ーー
どうやらこの男の肩に担がれているらしい。
「村を守りたいと思っての勇気ある行動、賞賛に値します。ですが少し無茶が過ぎますよ」
男は畑から少し離れた木にリーンをゆっくりともたれかけると、古代竜の方に振り返るーー
「君の気持ちは受け取りました。後は私に任せなさい」
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