プロローグ

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男は40代前半くらいの中年で深いブラウン系の瞳と同じ色の髪を全体的に後ろに流した髪型にキチンと整えられた口髭(ひげ)そして重厚な銀の鎧の肩にある赤い星が夜の色に栄(は)える。 中年の男は左右の腰から下げた武器を引き抜く 右手には両刃の片手斧 左手にはグリップに金細工で女神が描かれた青い短銃型の『魔法』 それぞれを構えて古代竜へと真っ直ぐに勇ましく歩いて行く後ろ姿は物語に出てくる英雄の様でーー リーンは足の痛みも忘れて見入ってしまう。 「ギ…ガアアァ!!」 古代竜が氷壁に突き刺さった牙を強引に引き抜くと、その内の一本が根元から折れる! しかしそんな事は気にも留めず、近付いてくる中年の男に視線を向けた。 交わり合う視線… 無言で近付いて行く男と迎え撃つかの様に静かに佇む古代竜ーー 嵐の前の静けさか、辺りには不気味なまでの沈黙が流れていく… 刹那、男が銃口を向けた瞬間 嵐が来る!
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