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「ちょっ、ヒロキ!?」
「帰る」
慌てる女に短い言葉を投げかけ、彼は銜えた煙草をそばにあったグラスに放り込むと床に散らばった服を着始めた。
「な、なんで?」
女は慌ててシーツを纏い彼に擦り寄るが、彼は表情を変えることなくサイドボードに置かれたノンフレームのメガネをかけた。
「ガッコ。俺、一応学生なんだよね」
そう言って、彼は口の端を上げ綺麗な顔で極上の笑顔を。その光景に女は息を呑みその後に続く台詞を失うほど。
「じゃあな」
彼は彼女の名前を呼ぶことなくそんな言葉一つ置いて部屋を出て行った。
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