夏の思い出~プロローグ~

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朝から容赦なく照りつける太陽。 雲は山の端の向こう、壁のようにそそり立つ。 夏。 暑くて当たり前。 あたしはその暑さの中、田んぼのあぜ道を一生懸命に走った。 辺りは山と川と田んぼ。 あと、小さなお社に商店街、とはとても言いがたい店が並ぶ田舎。 楽しい場所なんてどこにも無い。 それでも、夏休みだけは別。 そこの垣根を曲がって大きな門をくぐって、 「ヒロ君っ、遊ぼっ!!」 あたしは息を切らせながらありったけの声で叫んだ。
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