23702人が本棚に入れています
本棚に追加
朝から容赦なく照りつける太陽。
雲は山の端の向こう、壁のようにそそり立つ。
夏。
暑くて当たり前。
あたしはその暑さの中、田んぼのあぜ道を一生懸命に走った。
辺りは山と川と田んぼ。
あと、小さなお社に商店街、とはとても言いがたい店が並ぶ田舎。
楽しい場所なんてどこにも無い。
それでも、夏休みだけは別。
そこの垣根を曲がって大きな門をくぐって、
「ヒロ君っ、遊ぼっ!!」
あたしは息を切らせながらありったけの声で叫んだ。
最初のコメントを投稿しよう!