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皿が割れ、時計が落ちて踏まれて原形を失って……。
そんな光景をどれくらい眺めていただろう?
「おいおい、やりすぎだろ、お前等」
突然、聞こえてきた低い声にヒナは身体を震わせ見上げた。
そこには一際(ひときわ)身体も大きく威圧的な雰囲気を纏った男が一人。
スーツこそきっちりと着ているものの、その風貌も態度も何もかもが『普通のサラリーマン』とは言いがたい。
彼の声に2人の若い男たちは動きを止め、あたりはやっと静寂を取り戻す。
その中で、スーツ姿の男だけがゆらりと動いた。
「悪いね、こいつ等若くてなぁ」
喉を鳴らして笑われても、父親の顔は引き攣るばかり。
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