壊れゆく日常

18/18
23677人が本棚に入れています
本棚に追加
/922ページ
だから急いで適当に服を選び、かばんを肩にかけた。 視界に見えたのは部屋の隅にうずくまる父親。 何か声をかけようとしたけど……、何も浮かばなくて、 「いってきます」 つぶやくようにそう言って、ドアを開けた。 突き刺すような太陽の眩しさに目をそばめる。 降り注ぐ光はこんなにも眩しいのに、暑いくらいの気温も今のヒナには冷たくて……。 小さく息を吐いて、いつもの道を歩き始めた。
/922ページ

最初のコメントを投稿しよう!