夏はもうすぐ

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「なんか飲む? 俺、車だからアルコールはやめとくけど、ヒナは?」 その質問にヒナは首を横に。すると、彼はメニューを指差して「俺はこれを」と頼んで、 「ヒナは?」 見せられるメニュー。すぐに目に付いたのは『orange』という単語で。だから、 「じゃ、オレンジジュース」 そう答えると、ヒロキは噴出して、 「それでよろしく」 笑いを噛み殺してそうオーダーした。 「……ちょっと、ヒロ君」 「ん? なに?」 顔を赤くして不貞腐れるヒナの前で、ヒロキは未だ俯いて体を揺らす。 「もうっ! なんで笑ってるの!?」 ムッとするヒナに、ヒロキはなんとか笑いを噛み殺すと、前髪をサラリとかきあげる。 「悪ぃ、いや、変わんねぇって思っただけ。そんな大きな目で睨むなって、落ちるぞ?」 落ちませんっ! そう言おうとしたのに、 「席、移動しようか?海の近く」 そんな台詞にヒナは「あ、うん」としか言えず、立ち上がる彼に慌てて同じように立ち上がった。
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