23702人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃ、なんで?」
「あ、えとね、友達にヒロ君の載ってる雑誌を見せてもらって、似てるなぁって。でも、苗字違うし、同い年だと思ってたのに学年は2つも上だし……」
「苗字、変わってねぇよ」
クスリと笑って帰ってくる声に「えっ?」とヒナは声を上げた。
「だって、『大森』でしょ?」
「あれは母方」
そんな簡単な種明かしにひなは目をぱちくりさせて、手に持ったナイフを思わず落としてしまった。
食器にぶつかり響く不協和音。「ごっ、ごめん!」というヒナの声はヒロキのため息と重なって。
「残念、ヒナに名前を忘れられてるなんて思ってもみなかったな」
最初のコメントを投稿しよう!