終焉世界のアリス

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朝目が覚めて、私は虚ろな気持ちでリビングへと向かった。 今日もきっと、殴られるんだろうな。 昨日父さんに殴られた左の頬が、まだじんじんと痛んでいる。 私を虐待する父さん。 見てみぬフリの母さん。 泣いてばかりのおばあちゃん。 唯一助けてくれる兄さん。 今日もまた、いつもと同じつまらない1日のはじまりだ。 そう思ったけれど。 いつもなら起きているはずの母さんや兄さんはリビングにいなかった。 私は兄さんの部屋に行ってみた。 「兄さん…?」
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