終焉世界のアリス

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兄さんの部屋には 兄さんだったモノ。 死体がそこにあった。 腹が貫かれ、大量に血を流した兄さんのカラダ。 「……」 声がでなかった。 し、知らせないと。 だれかに知らせないと。 私はすぐに携帯電話を取り出し119を押した―――― しかし、誰もでない。 これはどういうこと――? 考えていても仕方ないと思い、母さんの寝室へと向かった。 「はぁ はぁ はぁ はぁ 」 心臓が止まりそう。 母さんの部屋のドアを勢いよく開ける。 バァン!と音がして、 そこには兄さんと同じ死体があった。母さんもまた、死んでいた。 父さんの部屋に行っても、同じ。 みんな。みんな死んでいた。
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