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私はたまらず外に出た。裸足のまま、足が傷つくのも恐れずに。
しかし外には――
「なに…これ…」
無数の死体が山のように、つまれていた。その他にも、ごろり、ごろり、ごろりと。
死体、死体、死体。
どこを見ても死体が転がっている。
血の海が、広がっていた。
「…………」
私が放心していると、後ろから声がした。
「アリス」
反射的に振り向くとそこには、白いウサギがいた。
メルヘンな服を着た、ウサギ。
ウサギが、喋った?
「僕らのアリス、いっしょにいこう」
間違いない、かわいらしい声でしゃべったのはこのウサギだ。
「あ…あなたどうして私の名前を?」
「アリスを知らない人なんていないよ」
白ウサギはこんなことを言う。
「あなたは、誰?」
そう聞くとウサギは、紳士のように華麗に頭を下げて見せた。
「僕は白ウサギ。よろしくねアリス!」
仕草と言葉が真反対でなんだかおかしい。
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