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…ということがあり、白ウサギと共に旅をはじめた訳なのだが。
私は人の死体に異変がおきていることに気づいた。
死体から、木が生えているのだ。まるで、人を養分にして育つかのように。そしてその数々の先端にはぶどうのような実がなっている。
ただぶどうと違うのは、
「このぶどう、血みたいに赤い」
木を見下ろすように見つめて言うと、白ウサギは不思議な顔をして言った。
「当たり前じゃないか。ぶどうは血でできているんだ」
「………まずくないの?」
「純粋な心を持った人の実は甘くて美味しいんだ。僕たちはソレを食料にして生きている」
「ふーん…」
私はたいして興味がなかったので適当な返事をした。
「それなら私の実は苦いんだろうね」
「何をバカなことを!」
白ウサギの小さい体がピョンと飛び跳ねた。
「アリスほど純粋な子はいないよ。君の実は甘いにきまってる」
「……決まってるの?」
「決まってる」
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