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行商人カール・ヴィンソンは苛立っていた。
せっかくレッドハウンドという金の成る木を見つけたというのに、ブラールという貴族のせいで全てがパーになってしまったからである。
あのままレッドハウンドの密猟を続けていれば、今頃自分は大金持ちになっていたはずなのだ。
そう考えれば考えるほど、悔しさが募るが、役人に睨まれてしまったあの街では、もう密猟を続けることはできなかった。
しかし――
「こんなにすぐに新しい狩り場を見つけられるなんて、ツイてるな」
カール・ヴィンソンは、にやけた表情を隠すこともなく呟いた。
コトラビートタウンの北にある雪の山。
そこで、彼はある動物を狩っていた。
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