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「ごめん、今日はちょっと……」
「あー! もしかして、デート? 例の、社会人の彼氏と」
肩を竦めて断りを入れる私に、澤ちゃんはにんまりと笑って、冷やかすように尋ねてくる。
「えへへ。会うの、2週間ぶりなんだぁ」
勝手に緩んでしまう頬を手で包み隠して頷く。
「いいなぁ、大人の彼氏。やっぱり優しいんでしょ?」
「えっ!? いや……そんなこと、ないよ? 全然……」
キラキラと目を輝かせる理香ちゃんの問いに、歯切れの悪い答えを返して首を小さく横に振る。
これは決して、 謙遜しているわけじゃなくて。
即答出来ないのには理由があったりする。
私の彼、須川圭司は、7歳年上の社会人で、紛れもなく大人なんだけど……
そんな時、スカートのポケットで携帯が震えた。
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