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「あ……圭司くんからだ」
「噂をすれば!どんなメールか見せなさいよ」
本当に小さな呟きを、聞き逃すことなく、ものすごい勢いで覗きこんでくる2人に気圧されながら、3人で顔を寄せあって、メールを開いた。
『だりーから映画パス。家で寝る』
……このメールからも分かるように、確かに大人かもしれないけど、性格に少々難アリ、だ。
それにしても、絵文字もなければ、簡潔で淡々とした内容。
2週間ぶりのデートだったっていうのに、申し訳なく思う気配も、愛情の欠片も感じられない。
「2週間ぶりなのに……」
こんなメールにはもう慣れっことはいえ、デートのドタキャンは別問題。
落胆と悲しみと、それから怒りが、ふつふつと沸いてくる。
不満げに呟く私の両隣で、2人は目を見張って固まったまま、きっと掛ける言葉を必死に探しているんだろう。
「え、えーっと……やっぱり社会人だと、何かと忙しくて大変なのかもね?ねっ、美希」
「そっ……そうだね、そういう時もあるんだよ、きっと!やっぱ一緒にカラオケ行こう!?で、ストレス発散しちゃいなっ!!」
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