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「……うん、そうする」
そうでもしなきゃ、このやりどころのない感情を消化できない。
それに、これ以上2人に気を使わせるのも申し訳ない。
むくれながら頷いて、返信メールを打つ。
『大丈夫?じゃあ、今日は友達とカラオケ行ってくるね』
心配する気持ちも勿論あるけれど、楽しみにしていた分ショックは大きくて。
気にしてない風を装ったメールは、自然と素っ気ないものになってしまった。
やっぱりまだまだ子供だなぁ、とその余裕のなさにため息をひとつ。
落としている間に、メールが返ってきた。
「返信、はやーい!」
私の沈む気持ちを盛り上げようと、理香ちゃんがわざとらしく嬉々とした声を上げる。
『俺のメシは?』
だけどその甲斐虚しく、私の怒りはたぎるばかりだ。
作りに来いと?
私は家政婦じゃないんだから!
『知らない!圭司くんのバカ!!』
怒りにまかせて捨て台詞のようなメールを送りつけると、ポケットに携帯を突っ込んだ。
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