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4月1日、俺は憂鬱な気分で1年A組16番の俺の席で机に突っ伏していた。 それもそうだろう。 何故ならば、クラスは見渡す限り、女子、女子、女子なのだから。 俺も一人の男だ。女の園など楽園にも等しい……と、少し前までは思っていた。 現時刻は、11:30。10:00から始まった入学式が終わり、担任である儚木女史の引導により、A組に在籍する30名がたった今教室に着いたところだ。 儚木女史は、生徒たちに配る手紙などを取りに職員室に行く、と言い残してこの場を去った。 さっそく、周りと壁を作らないために、フランクな口調で、 「ねぇ君、名前教えてよ。」 と、とりあえず右隣に座っていた3つ編みの小柄な少女に声をかけてみた。 しかし、純朴少女だと思って話しかけたのは大きな間違いであった。 さすがお嬢様学校である。 コンマ1秒で俺と逆を向き、グループに混ざるようにそこで話をしていた子たちと話し始めてしまった。 それだけではない。 クラス内の机の配置は、横に6×縦に5となっており、出席番号16番の俺の席は教卓の目の前というすばらしく目立つポジションであった。 嫌でも目立つはずのその席に座る俺は現在孤独ロードを全速力で猛DASH中なのである。 学園の空気を変えるためには、容姿も優れてなければならないと、面接にて俺の顔がそこそこ格好が良いことは立証済みなハズだった。 しかし、クラスの誰一人としてこちらに声をかけてくるどころか、こちらの方を見向きもしない反応を見ると、どうしても自信を無くしてしまう。 「(これがお嬢様なのか。)」 俺らのような男子どもには、興味なんてあるハズもなく、こちらを振り返ってくれるなんて夢のまた夢。 俺が孤立するのも無理がない。 そうした結果が机に突っ伏すという行為だった。
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