カルカラの常識

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〈クロームハート・エレガント〉 嘗て狂気の天才ターセルの手によって生み出された『人造竜』ターセルの死と共に協会総本部の地下に封印されていた。当初は戦力として再び使用できるように考えられていたが、機械的な構造の全てを解析することは出来ず、結局は外装を修復する程度の作業に終わり、長いこと倉庫で埃を被ることになる。それから様々な経緯でエレメンタリア宝飾に買い取られることになり、本来であれば表面に様々な色合いの魔導石を散りばめた豪華絢爛な置物となる予定だったが、世界の危機を知ってからは三姉妹用の機体として再調整された。 〈過去のクロームハートとの性能比〉 ターセルはクロームハートを平凡な人間でも竜に匹敵する力を扱える兵器として開発したが、エレガントは強力な魔力を必須とし、機械技術を参考に効率的な動きで内部からコントロールする前者と違い、後者は外部に取り付けた魔導石によって外側から操るように改修された。結果、常時発動させなければならない魔力の瞬間消費量は激増し、強大な魔力を誇る三姉妹が攻撃や移動を役割に応じて分担することで対応することになり、そのコンセプトは正反対のものとなった。持続力や操作性は旧機に及ばないが、運動能力と火力はそれを補って余るといっていい。
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