神話

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猟神ザミルは強い神だった。 ザミルは自らの力を誇示する為にあらゆる神に戦を仕掛け、勝利の証しに相手の骨と皮を用いて剥製を作った。 猟神の蛮行に腹を立てた他の神々は次々と戦を挑むが、その全てが返り討ちとなる。 やがてザミルに挑む神がいなくなると世界はザミルだけになり、残ったのは数え切れない剥製と孤独感だけだった。 自分のしてきた事に後悔したザミルは戦を捨てて自らの腕を切断し、その血肉から己を模した『人間』を作った。 同時に、今まで倒してきた神々の剥製にその血を分け与えると、かつての神の面影を持った『魔獣』として蘇った。 ザミルは人間に狩りの知識と必要以上の殺生をしない理性を与え、やがて人間に崇められる存在になり【猟神】から【良神】と呼ばれるようになった。
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