神話

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やがて人々が増えるとザミルは世界を人間に委ね、自身の干渉は最小限に留めて世界を見守った。 だが… ある時、一体の黒き魔獣が現れた。 それはかつてザミルに敗れた神々の怨念から生まれた魔獣で神に等しい力を持っていた。 黒き魔獣が咆哮を挙げると魔獣の群れは気性を荒げ、数々の人間を襲った。 やがて魔獣達は人間の築いてきた文明を滅ぼす程に被害を出し、ついにザミルが動き、壮絶な闘いを繰り広げる。 ザミルが愛用の槍を一振りすれば何百の魔獣が大きさに関係なく吹き飛び、黒き魔獣の爪は大地に裂け目を入れ、鋼の如きザミルの肌を易々と切り裂いた。 しばらくは互角の闘いが続いていたが、利き腕と大量の血を失っていたザミルに黒き魔獣を倒す力は残されていなかった。
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