第3話

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「へっ?そうなの?」 『あぁ、本当だ』 『僕達って凄ーい!』 えへへっと可愛く煌が言いながら人間から動物へと姿を変える。 と言うか凄いって………確かにそうだけど、さ……。 「順応早すぎじゃない…?」 『そうですか?まぁ月のように間抜けでのろまではありませんからね』 「誰が間抜けでのろまだ」 『月以外に居ませんよ、耳が悪いようですね…腐ってるのではないですか?』 「流衣…いくら私でもそれは怒るよ?」 どれだけ私を貶す気なんだ。 くっ…顔が良いだけにダメージが半端なく大きい…! 『大丈夫!そこが月ちゃんの可愛いとこなんだからっ』 『オレはどんなにドジでも月が好きだぞ!』 『月は………可愛い……』 『くくっ……愛されてんじゃねぇか、月』 「ふっ、複雑………」 貶されながら可愛いって言われても………。 と言うか煌も大空も私にそんなイメージ持ってたの?! 「………夜月ー」 唯一、私に優しく接してくれている夜月を呼びぎゅうっと抱き付く。 夜月は驚きながらもニコリと笑って抱きしめ返してくれる。 「夜月だけだよ優しいのはっ………!」 『大丈夫、月は……しっかり、してる』 あぁ、なんて良い子なの夜月…! 先ほどまで辛辣に扱われていた為か夜月が天使みたいに見える。 「夜月ありがとうっ、大好きだよー!」 『ん………僕も…月、好き……』 羞恥心など忘れ感情のままに言った傷心中の私に夜月も僕もだと返してくれる。 やっぱり家族って良いな。  
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