試作品

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どうせ僕なんかには 君が「好き」なんて言えない 僕はただの「試作品」なのだから いつか壊れると知って 壊される事を知った それでも君への思いは募るまま 出会いは「偶然」 ちょっとした事から 君と出会ってしまった それがぼくの始まり いつも同じ場所に居たのに 心は何処かで迷い 君すら見えない 人すら見えない ただ 彷徨うように 街の中を巡り 「出会い」とか「運命」だとか 全くどうでも良かった でも あの時突然人々が映った 君が一番ハッキリと映し出されていた 知らない世界に放り込まれたように 物や人が綺麗に映し出された いつもの景色が いつもの場所さえも 色を塗られ鮮やかに動き出した どうせ僕はただの「試作品」なのだろう この世界の全ても忘れてしまうだろう 始まりも 終わりさえも消えてしまうなら 何も知らない方が良かったのかな …世界の少しを知ってしまったなら いっそ全てを知って忘れる方が良い 「試作品」ならそれらしく忘れようか 別れは「必然」 それが終わりなのだから
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