擬体

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アンドロイド、擬体など、最先端である我々の高度技術だが、それは同時に犯罪を起こされるきっかけにもなる。ハッキングされ、操られる…などだ。 それを未然に防ぐ為、機動隊、『P・S』が存在するのだ。 ……… ボロ家の玄関扉が開いた。 「ラブか…」 「よぉ。お前もこの現場任されたのか。」 「あぁ。あ~、これが一時間前の現場だ。」 見せられた写真には無残にも腹部がえぐられたような傷跡で死んでいる被害者だった。 「おいおい、ガイさんよぉ、これを新人に拾わせたのか?」 「何事も教育さっ。」 ガイは微笑し、そう言った。 「しかし…、また派手にやらかしたもんだな。あちらさんも…。毎度毎度後片付けが大変だなこりゃ。」 ラブは写真を見て苦笑いした。 「まぁそう言いなさんな。これも俺たち『P・S』の仕事だぜっ。だが、確かに新型アンドロイドのハッキング操作とは、『人形使い』も面倒やってくれるぜっ。」 『人形使い』、『P・S』が三年前から追いかけている犯罪組織だ。 『人形使い』はアンドロイドや擬体化しているモノの内部に赤外線でウィルスを送り出し、ハッキングで個人情報の透視、または脳そのものを操り、その者を操作する事も可能にするのだ。 バンッと強くドアを開ける音と共に、現場検証捜査官たちが入ってきた。その奥から現場検証捜査官官長、フラガンが入ってきた。 「おや~?『P・S』さんたちがここで何を?」 フラガンが憎たらしい言葉で責めてきた。 「何って…、現場検証も『P・S』の立派な仕事だが?」 「そうなのか?私はてっきり、武等派揃いの集団かと…。こりゃすまない。」 「ちっ…。興醒めだ。行くぞラブ。」 「行くってまだ…」 「現場検証はあらかた終わった。こちらのお偉いさんにはお伝えしないがね。」 「どの道調べで分かる事なので大丈夫ですよっ。」 二人はフラガンを睨んだ後、車に乗り込み現場から立ち去った。 「まったく嫌な野郎だ。あいつが来るとマジで頭が働かなくなる。」 「まぁまぁ、それより…」 「あぁ、俺が現場で見たモノ、記憶したモノは全部俺の脳内チップに上書きしてある。とにかくこれを部長に見せてからだな。」 「そうか。」 車はエンジン音と共に夜の高速道路を駆け抜けた。
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