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「……御覧なさい、貴女が持つ桜月繚乱を」
女性にそう言われ、手元の桜月繚乱を見てみると
……木刀から刀へと変わっていた
「…刀?」
「そうです…妖刀、桜月繚乱」
そこで一度区切り、一呼吸置いて言った
「私は…憑き神の桜華に御座います、本当に思い出す事は出来無いのですね…」
桜華と名乗った女性は悲しげに目を伏せた
「まぁ…覚えて居ないのも無理は御座いません、あの出来事はみな…封印され、消えてしまいました」
「封…印?消えた?」
桜華が紡ぎ出す一言一言を聞く度に、何かが紐解かれて行く
「桜様………貴女様は、新撰組の隊士だったに御座いますよ?」
新撰組、隊士、消失、桜月繚乱、桜華、妖刀、……封印
「………っそんな悲しい顔…しないでよ、桜華……」
「……桜様!?まさか記憶が!?」
口から着いて出たのは、無意識の言葉
「え…?」
「桜様、今から貴女を幕末に御送りします…もう一度、貴女に…」
「それって…どういう事!?」
「元の'桜'と'私'言う存在は消える…ですが、全ては……あの日をやり直す為に!」
あの日………?
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