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続いて左真ん中のドアを開けると今までの部屋とは違い物が少なく、質素で綺麗だ。
クローゼットの中には執事服らしき黒い燕尾服とチョーネクタイ、手袋が入っていることからこの屋敷の執事部屋であろう。
「執事っていえばセバスチャンだよな」
「知らない」
などと雑談しながら家捜し。もとい手掛かりがないかと探す。書類が綺麗に並べられている机の引き出しを調べると中から一冊の本が出てきた。
パラパラめくるとこれが日記であるのがわかり、セケイを呼ぶ。
『...何ということでしょう。とうとう奥方様までも闇に魅いられてしまいました。これで残るは私とお嬢様の二人だけ。まさかあのお方が死の手を呼び寄せてしまうなど!...私には信じられません。あのお優しい...坊っちゃんが。
お嬢様の周りに結界を張り、死の手が届かない場所に眠らせました。屋敷内は既に魔の気で満ちており私の命ももうすぐ消えるでしょう。
この日記を読んでいるお方よ、どうか死の手からお嬢様をお屋敷をお救いください』
このページ以降、日記には何も書かれていない。
ラルはそっと元あった場所に日記を戻すと気になる文章があった。それはセケイも同じらしく今回は意外と大変な任務になると呟いた。
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