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執事部屋から出て左側の最後のドアを開ける、が開かない。どうやら鍵が掛かっているようだ。ここは後回しにして右の部屋に入ると調理場だった。
ここが調理場なら次のドアは食事場だろうと開けると見事予想的中。
食事場を調べる、と冷蔵庫を漁っている相方に声をかけ出ていく。
───数分後
「流石金持ち屋敷。高級食材が入ってる。こ、これは…!王様と呼ばれるタゴニクドラゴン!食用ドラゴンの中で最も気性が荒く捕まえにくいが神の味と呼ばれるほど美味。一度口に入れれば肉汁が踊り、口の中で溶けるほど柔らかいという...」
ゴクリと思わず喉がなる。一つくらい持って帰ってもバチが当たらないと手を伸ばしたとき床下からゴトリ、と物音が聞こえ慌てて冷蔵庫を閉め離れる。
俺はまだ何も取ってないと誰もいないのに何故か声を出して言い訳する。が、よくよく考えると今この屋敷にいるのは俺達とどこかにいるお嬢様。それと正潔屋だと思われる二つの気配。
さっきの物音は助けを求める人のではないかと周りを見る。
床下から聞こえてきたということは何処か下に降りる所がある筈だ。
「アレ?おかしーな。見つからない」
もしかしたら別の場所にあるのかもしれない。
下を向いて考え始めた瞬間、何かに躓き転びそうになるが体勢を立て直す。よくよく見ると足元に不自然な取っ手があるではないか。
灯台もと暗しと相方がいたら絶対言われるであろう。俺はその取っ手を引いた。
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