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お嬢様の身体の為にも私は知り合いの死神が憑く人の所に身を寄せますわ。
漆羽に見つからないうちに退散した女を見送り、ハキは一仕事するかと地下室に向かう。
俺達が探す“死神”の力によって魂が肉体の外に出てしまい、ミイラになってしまった人間達。
ハキが言うには魂と肉体はいくつもの線で繋がってる。完全に切れない限り生き返る可能性はあるらしい。
「…っし。全員まだ間に合うな!」
「これだけの数だと相当負担も掛からないか?」
「それでも今ここで助けられるのは俺だけだ。なら何も迷う事はねえだろ」
それが“お前の身体”なら止めはしてもハキが決めた事だと見守った。だが、その身体は……。
最後の一人にも力を使うと魂が戻った肉体は屋敷に入る前、居た頃と変わらないであろう姿に戻っていた。
まだ目が覚めず眠ったままだがそのうち起きるだろ。ここに居ると漆羽に説明するのが面倒なので外に出るぞと声を掛けたがハキから返事は無い。
「ハキ?」
しゃがんだまま動かないハキに触れると前に倒れそうになった身体を慌てて支える。顔色は悪く唇も紫色になってる。
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