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一方、漆羽を尾行する怪しいローブ達こと俺達は、監視させているムイークから情報を得、二階の窓から遠慮なく割って屋敷内に入り込んで先回りしていた。
「へぇ~、中々ゴージャスじゃん。見ろよこの高そうな壺。割っちまおうかな」
「遊びに来たわけじゃないぞ」
「へいへい…わかっていますようだ」
堅物過ぎんだよ、呟き屋敷を散策する。手近にあるドアを開けては探ってめ、ドアを開けては探って閉めの繰り返し。
何か無いかと二階の一番奥の部屋を開けると床にうずくまる小さな骸骨が目に入る。
「うわっ…成仏しろよ」
両手を合わせて合掌。部屋の中はお人形さんや可愛らしい小物が置いてあるため子供部屋みたいだ。
何があったか聞きたいが死人に口なし。聞くことができない。漆羽も来るから早々に移動しようと骸骨に背中を向けたとき、足が何か細いものに掴まれる。
恐る恐る足下を見ると小さな骸骨の手が掴んでいる。黒ローブがゆっくり手を外すと骸骨の顎が突然カタカタと動きだす。
これはもしや魔物スケルトンではと思ったのも束の間。ゆっくり立ち上がった骸骨はこちらへ襲い掛かってくる。
「よっしゃ、予想的中!褒めろ褒めろ」
「喜んでる場合か!さっさと逃げるぞ」
開けっぱなしのドアまで走る。だが後一歩で出れるという所で足元の床が崩れ、そんなんありかよーっと悲鳴と共に暗い闇へと墜ちていった。
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