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走り終えた彼らは食堂で昼食をとっていた
ヨミは食欲がないのか机にとっぷしている
「いや~まさか…全員同着だとはな~」
「…………」
「あの程度でへばるなんて…俺はまだまだだ…もっと気張らなければ」
「…ゔゔ…気持ち悪いぃ」
そう、彼らは全員同着だったのである
ゴール直後、ヨミは失神したが、昼には回復していた
ヨミが言うには、ラスト一周から記憶がないらしい
目撃談によると白目で走っており、すでに意識はなかった
という証言もある
「にしてもすごいなおまえら」
とキリの隣に第6小隊長であるカインが座ってきた
「全員、限界まで走っていたのか?でなければ戦場では生き残れないぞ」
厳しい一言…
「まぁまぁまだ教育が始まって二週間だぜ?そんな魂つめんなって」
「いいや、最初だからこそ気を抜くことは許されない…小隊長教本は見ただろう?」
「見たけどさ、あんなのただの教本だぜ?あれどおりにやったら必ず付いていけない隊員や辞めるやつ、逃げる奴がでてくるぜ?」
「…そんな隊員は必要ない、戦場じゃ役立たずだからな」
「へっそうかい、キリとは根本的に価値観が違うらしい、なにを言っても無駄みたいだな」
と、カインは不機嫌そうに言った
「はいはい、議論はそこまで、飯食おうぜ?」
ジャンが仲裁に入る
するとジャンが言った
「おい、第6小隊長さんよ、うちの小隊長は厳しいけどな、間違ったことは言ってないし正しいとも言えねーけど…それについていくのが俺ら第1小隊だ、付いていけないほど弱い奴はいねーけどな」
ふふんと笑い、言い放ったジャン
「…たしかにそーかもな…悪かったよキリ」
謝るカインに対しキリは
「謝られる理由はない、小隊長の方針なんて人それぞれだ…と思うがな」
「そっか…おもしろいなおまえら…やばっもう時間だ、俺はいくよ。じゃあな第1小隊」
もう次の訓練の時間迫ってきていた
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