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試合は順調だった
キリもジャンもギルも開始と同時に相手から一本をとる
快勝だったが…
キリだけは違った
「あはははっ!ほらほら!そんな遅い剣じゃ当たらないよ!ははっ」
相手をバカにしたように剣をよけ、罵倒する。
かれこれ5分がたったが
ヨミはまだ打ち込みをしない
まるでいたぶっているようだった
「くそっぜぇっぜぇ…!ばかにしやがって!」
相手は第3小隊のダンという隊長で、特に目立つような力はないが、教育は真面目にうけている好少年だ
「ほらほらなにもたついてんのさ…あははっばかみたいだ!あは!」
力の差は歴然だった
毎日上級者であるギルと打ち込みをしていたヨミはもはや平均的な剣術ではなくあきらかに上級者にまで上達していた
毎日打ち負かされていたのが、急に自分より弱いものと対峙したためか、有り余る力に溺れ、相手を弄んでいたのだ
「くそがっ!」
ヒュンヒュンヒュン…
ダンの剣はすべて空を裂く
そして
「飽きちゃったなぁー」
ビュンッッッ!!!
ゴツッッ!!!
「あ゙っっっっ!!」
ヨミの模擬刀はダンのこめかみあたりに横から直撃する
にぶく不快な音が訓練所に響いた
ばたんっっ
カラン…
ダンは地面に正面から倒れる
「あははっ弱すぎ…つまんないの」
この時、訓練所にいた誰もがヨミに対して悪寒を感じた
相手を倒すことに対してヒト欠片も躊躇しない冷酷さと無邪気に笑う表情に
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