10人が本棚に入れています
本棚に追加
火のついた矢が飛び交っている
もう街はどこもかしこも火の海だ
外から怒号が聴こえる
敵兵士だ
みんな殺されていく
家の中に隠れていてもいずれ火が迫ってくるだろう
兵士も入ってくるだろう
「大丈夫よ…大丈夫だから」
俺とヨミを抱き締めながらフルフルと震えた声で励ます母親
父親はいない
戦争に行ったきり帰ってこなかった
『出てこい住民供!出てくれば殺しはしない!』
外から声が聴こえる
「行くしかないわ…貴方たちはここに隠れてなさい…その隙に裏口から逃げて…治まるまで隠れるのよ」
「母さん!」
ヨミが叫ぶ
ガシャン!!
「出てこい!」
どうやらドアをぶちやぶって兵士が入ってきたみたいだ
見つかった…っ
最初のコメントを投稿しよう!