処刑

2/4
前へ
/50ページ
次へ
火のついた矢が飛び交っている もう街はどこもかしこも火の海だ 外から怒号が聴こえる 敵兵士だ みんな殺されていく 家の中に隠れていてもいずれ火が迫ってくるだろう 兵士も入ってくるだろう 「大丈夫よ…大丈夫だから」 俺とヨミを抱き締めながらフルフルと震えた声で励ます母親 父親はいない 戦争に行ったきり帰ってこなかった 『出てこい住民供!出てくれば殺しはしない!』 外から声が聴こえる 「行くしかないわ…貴方たちはここに隠れてなさい…その隙に裏口から逃げて…治まるまで隠れるのよ」 「母さん!」 ヨミが叫ぶ ガシャン!! 「出てこい!」 どうやらドアをぶちやぶって兵士が入ってきたみたいだ 見つかった…っ
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加