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「どうか命だけは!命だけはぁ!」
母親はひざまずいて命乞いをする
「安心しろ、殺しはしない。お前らを捕虜として連行する、なに…悪いようにはしない」
敵の兵士は優しく話しかける
「ありがとうございます…ほらキリ、ヨミ、行くよ」
「おいジン、捕虜はもういらねぇ筈だろうが。他は皆殺しだ」
突然壊れたドアから入ってきた男…
「止めろキース、無闇に命を奪うな」
ピリピリ…
空気が冷めていくのを、俺とヨミは感じた
「甘ぇんだよ…お前は」
ザン…
キースという男…が持っていた剣を振るった
母親に
「「母さん!!」」
母親は首と胴体が繋がっていなかった
ぶしゅしゅしゅー
激しい血しぶきが天井まで噴き上がる
「おまえ!おまええぇっ!!」
ヨミがそう叫ぶ前、頭が真っ白になり近くにあった包丁をキースという男に突き刺そうとしている自分がいた
スカッ
包丁は空を裂いた
かわされた!!
と同時に背中に鋭い痛みが
「ぐぁあっ!!!」
「くははっ!中々の速さだがぜんっぜんおせえよガキ!」
「ぐっ…うぅ」
どうやら背中を大きく斬られたらしい
どくっ…どくっ
血が一気に流れる
「兄ちゃん!おまえっ!!」
ヨミが叫びキースに飛び掛かる
キースは剣をヨミの頭に狙う
「止めろ!止めろ!!!」
だめだっ!!!!
ザクン…
っっ!!!!!
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