不安な夜の過ごし方

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「僕から離れんといて下さいね」 すがるように抱き着いて、震える声で訴えるように言う僕に 「大丈夫やって。愛しちゃってるからなぁ、離れられへんねん」 冗談めかして答えはるけど、少し声が震えてる。 ごめんなさい。 僕の不安が伝染(うつ)っちゃったみたいですね? そっと、その細い躰を抱いて 「ほんまですね。僕も愛しちゃってるんで、離してあげられそうにないです」 耳許で、ため息混じり囁けば 僕の胸元ポスッと片手で殴って 「アホぅ、何て声出すねん…」 って、弱々しい声で怒らはる。 あら、もしかして感じちゃいました? もう眠れそうにないですし、ふたりでもっと愛を感じる事しましょうか? そしたら きっと、僕らの不安も消えていくと思うんです。 End
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