何処でも行けちゃう不思議なドア

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前方に小さな明かりが見えてきた。 このトンネルを抜ければすぐに駅のホームが見えてくる。 運転士の山崎徹は、長年の勘で駅に到着する時刻を逆算した。 ここからだと電車を停車させるまでジャスト一分というところか。 トンネルを抜けると、不覚にも目頭が熱くなった。 運転士としての自分もあと一分でお終いだ。 そんな事を考えているうちに、すぐにホームが近づいてくる。 山崎は短く警笛を鳴らし、停止位置を目指してレバーをしっかりと握った。
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