何処でも行けちゃう不思議なドア

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山崎は運転士になって丁度今年で十年目だった。 彼は幼い頃から電車に憧れ、自然と運転士になりたいと夢を抱くようになった。 運転士になり、初めて運転席に座った時の感動は今でも忘れてはいない。 最後の指差し確認をすると、山崎は長い警笛を鳴らした。 するとホームに待ち構えた鉄道ファンや乗客から拍手が鳴り響いた。 思えばこんなに賑やかなホームは、あのドアが登場して以来初めてかもしれない。 あのドアさえなければ…… とても便利な道具だという事は内心認めつつも、どうしてもあのドアの存在が納得出来なかった。
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