「少女」

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その少女に会うのは二度目だった。 今さら狼狽える必要もない。たかが15の小娘ではないか。 こっちは伊達に41年間生きてきてはいない。 と言いながら、動悸が激しくなっていくのがわかって思わず舌打ちしそうになる。 色白のうりざね顔。肌は真珠のように滑らかで、 薄桃色のぽってりとした唇が蠱惑的でさえある。 白シャツにブルーのスキニーデニムという 小ざっぱりとしたファッションに夜色の長い黒髪が 2、3歳ほど印象年齢を引き上げている。 何か体にいいお茶の宣伝に出てきそうな そこはかとなく清涼感のある子で…… つまりは――私のタイプである。
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