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「―――何だ?ここは…」 俺、雪野 一は目覚めると一面青い世界にいた。 上は青空がどこまでも広がり、下は遥かな海。透き通る海面は、空の青を映してさらに青い。 「…ここは…どこなんだ?」 戻らないと―――…、そう思い立ち上がった時、背後で誰かの気配を感じた。 「――――誰だ?」 振り返ったそこには誰もいない。でも、誰かの気配は感じる。なぜだ? 「―――誰か、いるのか?」 答えはない。―――本当にここはどこなんだ…。 ≪ここは時の狭間だよ、ハジメ≫ 「―――!?誰だッ!?」 ≪僕が誰だっていいじゃないか。別に危害を加えようってんじゃない。安心してくれ≫ 苦笑するような声。でも、姿はなく…気配をかすかに感じるだけだ。 「あんたが俺をここに連れてきたのか?」 ≪そうだよ。少し―――記憶を借りたくて。≫ 「記憶…?」 記憶を借りるとはどういうことなのだろう?意味がさっぱりわからない。
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