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この青の世界からハジメが消えた後、二人の人物がその場に姿を現した。
一人は不機嫌そうに頬を膨らまし、もう一人は愉快そうに笑っている。
「―――世界は、君の思い通りにはいかないよ。」
「…………」
笑っていた方が、不機嫌そうな方に言う。
言われた方は、更に不機嫌そうにもう一人を睨んだ後、ふん、と言いながら消えてしまった。
「…………ふぅ…」
一人残ったその人物は…苦笑しながら世界を見渡して…目を閉じた。
「…世界が…壊れてしまいませんように。」
祈るように、願うように呟いて…その人物も姿を消した。
その場に残るのは、かすかに聞こえる潮騒と風の音だけだ。
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