三御題

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「はあっ、はあっ、…っく!」 『あはははははハ!』 漸く建物に隠れられた。 それでも近くで狂った笑い声をだす少女達――いや、悪魔達がそこら中を虱潰しに壊して回っているのが聞こえる。 「嫌ああぁ!」 「うわあああ!」 また、人が殺された。 思わず耳を両手で塞ぎそうになるが、そんなことをしたらいざというときに動けない。 『あれぇ? こんな所デなにしてるノ?』 「え? あがっ!!」 奴らは少女の姿だが、とてつもない力を持っている。 「あ、あっ、ふぅ…!!」 今だって特別なことはされていない。 只、殴られただけ。 確実に左腕と肋骨が折れた。 殴られた衝撃で脆くなった建物の壁を破り、裏側へ出ることが出来た。 とにかく此処をでなきゃならない。 呼吸するだけで激痛が走る。 「こんなのだって、邪魔だ!!」 気休めに持っていた銃を捨てる。 奴らにはどんな武器も効かず、軍隊もいたが1時間保たなかった。 必死で走る。 走る。 走る。 走る。 頬に水が落ちた。 「まだ、涙なんて出たのか…。」 痛みからじゃない。 憎しみなのか、寂しさなのか、僕には分からない。 ただ、ただ、 平凡な世界に戻りたい。
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