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「はぁ……はぁ……」
ここは埼玉のある町の工場跡
泥と埃と血で少し汚れた学ランを着た一人の少年が色とりどりの髪の色をした不良達に囲まれていた。
そのうちの何人かは学ランの少年の足下に無惨にも転がっている。
「麻生てめぇぇ!やってくれたじゃねぇかぁ!」
「うっせぇ!先に仕掛けてきたのはてめぇらだろうがぁ!」
「やっちまえぇ!」
立っていた残りの不良たちは麻生と呼ばれた少年に一斉に殴りかかった。
何人かは鉄パイプやらバットやらを持っている中にビビることもなく突っ込んでいく少年に四方八方から殴打の嵐。
かわしては殴りかわしては蹴りをいれていく少年。
そんな中唐突に頭に衝撃が走ったので見上げるとそこには鉄パイプを振りきっている男がいた。
額に血が流れている事は何となくわかるがそれでもからだが止まることはない。
その男の顔を鷲掴みにし思い切り地面に叩き落とす。
「鉄パイプで頭殴られてんのに……に、人間じゃねぇ」
残りも少なくなった不良達を睨み付ける少年。
「ひ、ひぃぃぃ」
「た、助けてくれぇ」
その場で腰を抜かすもの。逃げ出すものは様々だがその場で立っているものは二人だけになった。
「麻生……てめぇ!」
全身を震わせ一目見れば怒っていることくらいわかる表情とともに少年に向かって怒声と共に殴りかかる。
それと同時に不敵な笑みを口元に浮かべそれに向かっていった。
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