第1章

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 まだ冬の寒さも残ってる今日この頃中学までの道を歩いている晋司。  あの試練のあとを結局おっちゃんから説教を受けそのせいで寝不足な目を擦りながら校門までたどり着いた。 "出たよ。何で来てんだろうな" "昨日もここら辺の不良と喧嘩して怪我させたらしいよ" "親が居ないから歯止めが効かないんだろ"  最早日課ともなった朝の会話には耳もくれずに教室へ向かう。  教室へ入っても先ほどと変わらないような反応にそろそろ飽きが来たと言うような表情を浮かべ席へつく。  席についてしばらく窓の外を見ているとチャイムとともに戸が開き中年の男が入ってきた。  わかるとは思うが担任だ。 「おはよう。お前ら3年もあと一週間で卒業だ。寂しくなるがあと一週間しかない中学生活を楽しんでくれ」  担任の先生が言ったように晋司達の中学は一週間後に卒業式を控えている。  ようやくこのくそったれな生活から解放されると思うと心なしか口元が上がる晋司は、すぐに気だるそうな顔に戻し再び窓の外を見るのであった。
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