幼馴染

…１

「あれ？今日は…身軽？」

幼馴染の『こっちゃん』に声を掛ける。
２歳になる男の子の母親で今は社会人枠で大学で博士課程を学んでいる。
それ前は…俺の母親の下で働いていた。

「うん…今日は、主人の実家に主人と遊びに行ってるの。」

会社員のご主人を家じゃ『課長』なんて呼んでいるけど、
こうして外に一歩出ればちゃんと『主人』だの『長谷部』だの…呼び方が変わるが
ちゃんとしているなって感心する。

隣にいるこっちゃんの父親だって…俺たちの前じゃ本当にちゃらんぽらんで
２０年以上前の亡くなった奥さん一筋で…
子供たちの前でも平気な顔して際どい話までしちゃうようなおっちゃんだけど、
対外的には中核病院の院長せんせーだし、何気に非常勤だけど、大学の付属病院では
重鎮の部類。