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「じーちゃんにだけ教えてあげるけど…」
修平の語りかけに木崎先生はわざとらしく目を輝かせ
興味津々って顔をする。
でも修平…後ろでパパもばあちゃんも聞いてるんだけどなぁー。
「 ホントはね、こーんなちっちゃいあかちゃんと、
赤ちゃんを守るお部屋が出来たんだってー。」
こーんなちっちゃいって所で、修平の小さな手で豆粒みたいな大きさを
指し示す。
「え?ママのお腹に?」
大げさに驚いて見せる木崎先生に咲子さんは笑いを堪えている。
でも、あの人…子供の扱い旨いよなー。
修平はもちろんだが
瑛太も華も、優人も…ここちゃんも
みんな木崎先生の絵本の読み聞かせにうっとりだったし、
寝かしつけも天下一品だった。
(自滅するパターンも多いけど…)
「うん。ママのお腹にね、赤ちゃんのお部屋が有って、
赤ちゃんがねんねしてるの。こんな風に…」
小さく丸まってる形は確かに胎児のその恰好で…
きっと折に触れて小春が修平に話しているんだろう。
「ねー。ばーちゃんなら知ってるよね!」
修平は咲子さんの仕事もきちんと承知してて、
元気な赤ちゃんのお手伝いをしている…と言ってる。
「うん。そうよ。赤ちゃんね…ママのお腹のお部屋で
こーんな風にねんねしたり、お母さんのおなかの中で
ちゅーってご飯食べたりして、どんどん大きくなるのよ。」
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