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「修平だってママのお腹の中に入っていたんだよ。」
そう言いながら咲子さんは立ち上がったかと思うと、
古めかしい母子手帳を取り出し、
修平の目の前に置き、
白黒の感熱紙を指さして、
「ホラ…ここがお部屋なの。
それでこの豆粒みたいなのが赤ちゃん。
この豆粒赤ちゃんは大祐おじちゃん。」
大祐の母子手帳か…
小春のは記念にって結婚の時に小春が手渡され、
『だいじひきだし』って決めた引き出しの中に入れている。
ちなみに『だいじひきだし』には
修平のへその緒もきちんとしまってある。
時々見てみるが
カピカピに干からびているので、
あんまり何度も見たいとは思わない。
「おじちゃん。こんなにちっちゃかったの?」
修平は目を丸くして凝視してるが、
修平も同じくらい小さかった。
今度…修平の母子手帳も見せてみよう。
小春と二人で修平を挟んで…優しく話しかけたら…
一歩前進するかも。
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